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当院の「こころのやまい」に対する考え方

「こころのやまい」の様々なかたち

通常心療内科や精神科といったメンタルクリニックといわれるものには、何らかの「こころ」に関する症状が現れて初めて患者さんが受診されます。

この「こころ」の症状を、精神症状といいます。これには、うつうつした気分や落ち込み(抑うつ気分)、やる気が出ない(意欲低下)といった一般的に「うつ病・うつ状態」と言われる病気の代表的な症状です。このほか、眠れない(不眠)、不安、イライラ、焦り(焦燥感)、あるいは 「人が怖い」 (対人恐怖・社会恐怖)といわれるものがあります。なかには、疲労感や身体の痛み(身体表現性障害)、あるいはストレスがきっかけで意識を失う(解離性障害)など身体症状として現れるものもあります。

症状として現れる時の、こころの流れ

これらの精神症状や身体症状は、いずれも「こころの不具合」から生じるものです。当院ではこのような「こころの不具合」が精神症状や身体症状を及ぼす流れを「電気のブレーカーが落ちる仕組み」という表現で例えています。家庭のブレーカーは、これ以上長時間あるいは大量に電気の負荷をかけておくと漏電や火災になる危険性があるから、ブレーカーは「これ以上通電するな」と察知して半ば強制的に落とします。例えばこれがちょうど「うつ」の成り立ちです。すなわち、「このままの状態で世の中に触れ続けて、これ以上さらに不具合が起こらないように事前に気づかせてくれる」のが、実はこころの不具合の症状であったりするのです。確かに、急に落ちたブレーカーのせいで家の中が一瞬で真っ暗になるのは確かに支障がありますが、このようにブレーカーは事故回避システムですから、ある意味では家にはなくてはならない、家全体を預かる「守り神」のようなものです。

「こころ、こんにちは。」

従って「こころの症状」は精神症状にしろ身体症状にしろ、その症状の状態のみに目を向け、軽減や消失を目指して躍起になっているだけでは本当の解決に至りません。海の上に見える氷山の下には厚い氷の岩盤があるはずですが、海の上の氷山を削るだけではすぐにまた出てきます。クルマでも不具合が出たらピンポイントで見つめるわけではなく、全体を点検する必要があります。これと同じように当院では、「こころの不具合」によって起きてきた様々な症状に向き合いつつ、その症状を引き起こす「こころの様子」を見つめていくことが肝要と考えています。

ありのままの、こころを、そのままに…。
「こころ、こんにちは。」は、このような思いから来ているものです。

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