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人間関係はアレルギー (1)

[2015.10.27]

集団になれば必ず出てくる人間関係ですが、これはまさに花粉症などのアレルギー反応と同じような現象としてあらわれます。

花粉症は、最初に身体に入ってきた花粉には身体は反応しません。しかしいつのまにか最初の花粉を「これは異物である」と認識し、二回目以降に入ってきた花粉に対して鼻汁やくしゃみ、目のかゆみなどの症状を呈します。これは身体の過剰反応で、本来はそれほど敏感に反応しなくても構わないにもかかわらず、何らかの免疫学的異常により引き起こしているものです。

人間関係も得てして同様なことが起こります。例えば親子虐待を長らく受けて育った子どもは、大人になってから親から受けたものと似たような感情にさせられる場面に遭遇すると、過剰に拒否反応を示す傾向があります。他の人から見て「そこまで反応するほどではないのでは?」という感情表現を示します。その大きなものが怒りになりますが、逆に言えば感情的な過剰反応を示しやすい人は「この人は何らかの虐待を受けているかも」と考えた方が無難かもしれません。

これは家庭で現在起こっている親子関係に照らし合わせることもできます。例えば親がその時の機嫌により、子どもに対して過干渉あるいはイチャモンが繰り返されている、いわゆるぎくしゃくした親子関係はよくみられます。子ども側としては、いつまで親が同じやり方をしてくるのかとうんざりすることがありますが、これも親がどのように育てられてきたかを見つめることが鍵になります。多くは祖父母と親の関係を捉えることによって、親が子どもに対してこのような激しい行動を取り続けるのはなぜか、相手に嫌がられながらもそのような行動を取る理由は何か、そこにある親が抱える執着とは何か、などが見えるようになってきます。

このように人間が繰り返し同じ行動を取るには、そこに意味があります。ところがまさにアレルギーのように、気難しい行動を取る本人自身も、その理由や原点がわかっていないことが多いのです。

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