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COLUMN院長コラム

【ミニコラム】人間関係はアップデート

2018.11.14

親子関係が話題となると、「いまからでも親との関係に捉われなくなりますか?」と訊かれます。そもそも人間関係の構築とは、大抵の場合親子関係に始まり、それを家庭の外で擦り合わせていく作業になります。

ちなみに昔から機能不全家族といわれる家族の人間関係では、昔から「話すな」「信じるな」「感じるな」という三つのルールがあります。各々は、「ウチの家のことを漏らしてはならない」、「他人の言うことを信じてはいけない」、「目の前に起こる家族のいさかいに対して、いちいち感情を交えていてはいけない」という意味です。 

このような緊張感の高い家庭で育つと、知らず知らずのうちにこれらのルールに煽られ、下の世代のこれからの人間関係の広がりに影響します。つまり上の世代の人はこれらのルールの中を守らせることで、下の世代の人が「ウチの人間関係が変なのだ」と思わせること防いでいるとも言えます。

よって下の世代にとっては、「家庭で教わったおぞましい親子関係がいまさら抜けるのか」というのが冒頭の疑問になるわけですが、所詮人間関係はアップデートです。最初に何も知らない子どもが、両親のやりとりから言葉や観念を植え付けられたという流れがある限り、「親子関係から学んだ観念が唯一の人間関係ではない」というのも、重ねていけるはずです。

しかし大人の場合は塗り替えになりますので、若干次のような意識が必要かと思います。それは「自分の前で複数の人がやりとりをしているところを見聞きできる環境を持つこと」です。これは職場でも趣味でも、あるいはボランティアでもカフェでもあり得ると思います。覗きは法律的には憚られることですが、人間関係は自分が参加しない中で周囲のやりとりをいわば覗き見て、自分の中に組み入れていくことになります。逆に自分が主人公になっている時には、なかなか人間関係は覚えられないものです。

自分以外の人間のやりとりを見聞きする場面があることにより、「きっとまたこうなってしまう」という価値観から、「あの時と同じようになるとは限らない」というのを体感的に覚えていくことになるでしょう。

それが「アップデートです。」