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パニック障害の相談・治療

症状

パニック障害とは、何らかの契機で動機、息が据えなくなるような感覚、身体の震えなどの身体症状が生ずる疾患群を指します。その他にも「頭が真っ白になる」「その場から動けなくなる」「次に何をしていいかわからなくなる」など派生した状態も含まれます。

背景・因子

以前は「広場恐怖」(アゴラフォビア)という概念が付随し、パニック障害を診断する際には有無を選別していました。つまり「広い場所にいて、実際に周囲にいる他人の雰囲気に亜圧倒されるかどうか」が問われました。例えば、大勢の前でマイクの前に立って話すなどにあるいわゆる「あがり」は、場面限定性でかつ任意の状況を作り出した中での症状で、広場恐怖とは区別されます。ちなみにこの場合は「恐怖症」のひとつです。
 総じて広場恐怖が依存する場合が典型的なパニック障害ですが、視線として感じるか雰囲気として感じるか、また特定の人たちに反応しやすいかなどが、その後の治療方針に大きくかかわってきます。

治療1 (薬物療法)

いまはパニック障害の適応する薬物療法は広がっています。

主剤は抗うつ薬を使用します。パニックは反応性の症状なので、その敏感さを抗うつ薬が逓減させます。パニック障害にとって抗うつ薬は「浮き袋」といってもいいでしょう。パニック障害を引き起こす場面が、いつどの方向から来るか読めない中で、浮き袋をつけて日常生活を賄って頂くことで、たとえその場面に当たったとしても緩衝材の役割を果たします。

このほかに症状を呈した時に服用する、精神安定剤も併用する場合があります。こちらは抗うつ薬の浮き袋に対していわば「ライフジャケット」です。症状が出たりその前兆を感じ取られる場合に服用します。頓服として使用する場合もあります。

治療2 (精神療法的アプローチ)

パニック障害は反応性の疾患です。ちなみに上述の通り、高い所や狭い所といったいわゆる状況依存性の反応の場合は、現在は「恐怖症」に分類されることが多いです。従ってパニック障害の場合は、「なぜそのような場面に過敏に反応するのか」を見つめていきます。その方の背景や事情を据える必要が出てくるからです。

一般的に多いのは、過去の嫌な体験に伴う感情が蒸し返されたり、ぶり返されたりした場合です。例えば広場恐怖が伴う場合は、大勢の人がいる場面のような感覚が引き金となり、かつ例えば「恥ずかしい思いをした」など、本人にとって不本意な結果や出来事を引きずっているケースがあります。いまが当時と全く同じ場面でなくとも、同じような想いがオーバーラップしてしまい、身体が過剰反応するケースがあります。

このようにパニック障害は、トラウマ由来の代表的な疾患の一つで、ひきずり病です。特に場面を具体的に意識できない場合でも、どのような事象が苦手、あるいは毛嫌いを感じるか、またはそこに怒りや不安など、どのような感情が伴うかなどをつぶさに見据えていくことが、いまの症状の軽減とその後の予防になるでしょう。特にまさにその時の考え方や感情に焦点をあてる認知行動療法(CBT : Cognitive Behavioral Treatment)で上手く解釈できない場合は、本人が日頃意識していない箇所に焦点を当てることになるため、過去から紐解くことになります。

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